ソ連が発明した世界初のギロチンホームドア

1961年、ソビエト連邦は西側に先駆けホームドアを実用化。その世界初のホームドアは、ロシアのサンクトペテルブルク地下鉄Парк Победы(勝利公園)駅で今も稼働中だ。メトロ建設に注力したソ連は、工期短縮と建設費の削減を目的にГоризонтальный лифт(ホライズンタル・リフト)と呼ばれる新設計の地下鉄駅を開発した。線路とホームを完全に分離することで、線路用のシールドマシンを再配置することなく駅の設置を可能としたのだ。その工法上の都合が重厚な扉(当初は磨りガラス製)を生み出したのである。しかし結局のところ、運用コストの問題で採用は10駅に留まり、ホームドアが普及することはなかった。ちなみに、ソ連は1950年代から自動運転を開発していたが、ホームドアの設置当時は実用化されておらず、当時の運転士は極めて高い精度のブレーキ操作を要求されていた。手動時代は多少進入速度が抑えられていたとはいえ、ソ連邦の労働者の高度な技量を物語る例だ。
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