死んだ“迷いクジラ”の埋設作業終わる 吉村知事「ガスがたまって爆発すれば大変。速やかに行動することが重要」(2024年2月26日)
堺市の港で死んだクジラ。2月26日、土に埋める作業が行われました。
(記者リポート 26日)「重機を使ってクジラに土がかけられていきます」
26日午前9時すぎ、堺市にある最終処分場で始まったクジラの埋設作業。このクジラは全長15m、体重約32トンのマッコウクジラで、2月19日に堺市の港で死んでいるのが確認されました。その後、海から引き揚げられて専門家らによる解体と調査が行われ、内臓などの状態から死因が「餓死」だったことが分かりました。
(国立科学博物館 研究主幹・田島木綿子さん)「(胃の中から)イカ本体は出てこなかったですし、腸の中がかなり脱水してたので、そういう意味でもかなり絶食状態だった」
26日は約10人の作業員が専門家の指示のもと、土の重みでクジラの骨格に負担がかからないよう慎重に土をかぶせていきました。尾びれと顎の部分は埋めず、専門家が持ち帰りました。
(大阪市立自然史博物館 和田岳主任学芸員)「(顎の骨は)歯が抜けちゃうんですよ、抜けちゃうと戻せないので。小さい骨を埋めるとなくなっちゃうんですよね。上から土をかぶせたら重いですから、壊れるようなものはきょう持って帰ろうかなと」
数年後には骨を取り出し、骨格標本として大阪市立自然史博物館で展示する予定です。
死んでいるのが確認されてから1週間で埋設されたことについて吉村洋文知事は…
(大阪府 吉村洋文知事)「腐敗もしますし、ガスがたまって爆発すれば大変なことにもなるという中で、速やかに行動することが重要だと思っていますし、そう思ってこの間、対応・準備をしてきたところです。これからもし湾内に入ってきた場合は、外洋に出てほしいんですけれども、もしそうじゃなく死んでしまった場合には速やかに対応できる準備を、湾内に入った段階で速やかに取るということが重要だと思います」
去年、淀川の河口で死んだ「淀ちゃん」のケースでは、海に沈めて処分され約8000万円の費用がかかりましたが、大阪府によりますと、今回の処分費用は半額以下を見込んでいるということです。
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