長唄 藤娘
立方:由井寧々(小学5年生)
<Fujimusume / Yui Nene>
◆内容
藤の花の精が娘の姿で登場し、彼女の女性らしい感情や恋心を表現する物語。特定の物語展開はなく、彼女は様々な衣裳に着替えながら愛らしい姿を見せる。男性の浮気性を批判するシーンや、酔って恋する男性を引き留めるシーンなど、恋心が詠まれる。リズミカルな曲や楽しいダンスもあり、娘が藤の花になる前の人間としての姿を楽しむ部分もある。物語の終わりには、娘が藤の枝を持ちながら夕焼け空を眺め、飛ぶ雁を見上げるシーンで締められる。
◆歌詞
若むらさきに とかえりの 花をあらわす 松の藤浪<省略>
人目せき笠 塗笠しゃんと 振かかげたる 一枝は
紫深き 水道の水に 染めて うれしきゆかりの色に
いとしと書いて藤の花 エエ しょんがいな
裾もほらほら しどけなく
男ごころの憎いのは ほかのおなごに 神かけて
あはづと三井のかねごとも 堅い誓いの石山に
身はうつせみの から埼や まつ夜をよそに 比良の雪
とけて 逢瀬の あた妬ましい ようものせたにゃ わしゃのせられて
文も堅田の かただより こころ矢橋の かこちごと
潮来出島の眞菰の中で 菖蒲咲くとは
しおらしさや サーヨンヤサ ア ヨンヤサ
しなもよや 花に浮かれて ひと踊り
松を植よなら 有馬の里へ植えさんせ
いつまでも 変わらぬちぎり かいどりづまで よれつ もつれつ まだ寝がたらぬ
宵寝まくらの まだ寝が足らぬ 藤にまかれて 寝とござる
アア何とせうか どせうかいな わしが小まくら お手まくら
空もかすみの夕照りに 名残惜しみて 帰る雁金
◆Story
A spirit of the wisteria flower takes the form of a young woman in a tale that captures her feminine emotions and romantic feelings. There isn’t a fixed narrative progression; instead, she showcases her charming demeanor as she gracefully switches between various outfits. Scenes that critique the fickle nature of men and moments where she tries to keep a love-stricken, inebriated man by her side express themes of love. The tale is punctuated with rhythmic tunes and lively dances, celebrating her life as a human before she became the wisteria flower. As the story concludes, the young woman, holding a wisteria branch, gazes at the sunset sky and looks up to see a flock of geese in flight.
◆西川寛
日本舞踊5大流派の1つ「西川流」宗家直門師範 扇若会会主
1982年横浜市生まれ 幼少時より父、西川扇三郎 祖母、西川扇豊より指導をうけ、18歳の時西川流の名取を戴く。以降人間国宝である西川扇藏師に指導をうけ、本格的に日本舞踊家の道に進む。 歌舞伎座 国立劇場等多数の舞台に出演する一方、芸者衆をはじめとする弟子の育成に力を入れている。 テレビ等での所作指導も担当。現在、新宿(東京)柏(千葉)守谷(茨城)会津若松(福島)にて指導中。生徒募集中なので、お気軽にご連絡ください。
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◆扇若会とは
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